代表メッセージ

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家づくりの方針

日本は世界的に見ても長寿命の国であり、年々平均寿命を更新しており、2050年には男性が約85歳、女性が約91歳になると内閣府は予測しています。そういえば最近、年齢の割にすごく若く見える方、私たちより元気なんじゃないか?と思うお爺ちゃん、お婆ちゃん方を目の当たりにする事が多くないでしょうか?

このように「人生100年時代」が当たり前になりつつある昨今、例えば30歳で家を建て、35年ローンを65歳で完済したとしても、平均寿命である90歳近くまで生活するなら、まだ25年近くあります。生活を支えるためには住居は必須です。

もし万が一、35年しか耐えられない家だとしたら…30歳で建てたとして、65歳でもう一度家を建てなければなりません。しかし、65歳で家を建て替えようとしても、住宅ローンを使うのは年齢を考慮すると、現実的にはかなり厳しい条件になると予測されます。つまり、建替えの費用の多くはキャッシュでの支払いになってしまいます。

老後の生活費を考えると、退職してからの多額のキャッシュアウトは家計に甚大な被害を与えてしまうのは簡単に想像が出来るのではないでしょうか?人生100年時代の今、住宅の長寿命化はより一層重要性を増しており、住宅の最重要ポイントであると考えます。

 

長寿命の家とは

では、長寿命な家とはどんな家を指すのでしょうか?私は「新築時がピークでない、シンプルな住宅デザイン」「半永久的に続く高水準の性能値」「持続可能なメンテナンス体制・保証体制」の3つを満たすことと定義付けています。

 

新築時がピークでない、シンプルな住宅デザイン

後述する性能やメンテナンス・保証体制も当然ながら重要ですが、どうこう言っても住宅のデザイン性の高さは重要です。デザイン性の高さは単に豪華とか流行りにのったデザインの事ではなく、①新築時がピークのカッコ良さでないこと②飽きの来ないデザインであることがデザイン性の高い家であると考えています。

まず「①新築時がピークのカッコ良さでないこと」についていうと、まずは本物の素材を使う事が重要です。例に挙げると床に無垢材を使う事などです。無垢の床は新築時も当然カッコいいのですが、経年変化で塗装では出せない色合いになったり、風合いが出てきて、住む人を楽しませてくれます。これは工業化製品では難しいと思います。新築時がピークで、あとは劣化していくのではなく、その時々での風合いを楽しめる家のデザインを目指しています。

次に「②飽きの来ないデザインであること」に関しては、私はシンプルに作り込むことが大事だと確信しています。世界中の何十年、何百年前に建てられた有名建築物の数々を見ても、現在の最新のデザインのものと遜色なく、むしろ「え?この建物そんな昔に建てられているの?」と驚く事も少なくありません。これらの素晴らしいデザインの建築物はシンプルで高さや窓の位置、余分な物を排除したデザインの物が多いです。弊社の経営理念である「素にして上質」。私自身シンプルなデザイン性を突き詰め、素にして上質の建築デザインを目指し続けていきます。

 

半永久的に続く高水準の性能値

快適性

住宅の役目は私たちに豊かさやゆとり、安息や癒しを与える事と同時に安心、安全な場所の提供であることも重要な役目です。厚生労働省の調査によると家で亡くなられる方は、交通事故で亡くなった人約3700人の3.7倍にあたる約13700人になります。決して家の中だから安全とは言えないのが現状です。原因の多くはヒートショックによるもので、亡くならないまでも病気にかかる、体調不良をうったえる事などを考えると、いかに家の快適性の重要度がお分かりになると思います。そこで最近注目されている「Ua値」「C値」。住宅の性能を表す数値として注目を集めています。弊社ではUa値を0.46以下(G2グレード)、C値を0.8以下を標準仕様のスペックとしているのですが、過剰に性能値を上げるとやはりコストパフォーマンスが悪くなります。尾道市周辺ではこのスペックが一番コストパフォーマンスに優れていると考えています。

耐震性

地震大国と言われる日本において、耐震性の高さは住宅に求められるのは言うまでもありません。また南海トラフ地震は30年以内の発生確率は70%~80%とも言われており、ますます住宅の耐震化は必要になっています。今求めらてれいる耐震性能は耐震等級3は最低限とし、これに加えて地震の揺れを抑える「制震」を併せ持たせることで、建物の損傷だけでなく人命を守る確率を高くすることが必要であると考えています。

根拠ある性能値

快適性、耐震性をはじめ、数々の性能値は曖昧なものではなく、確固たる証明が出来ないといけないと考えています。弊社では「長期優良住宅」「省令準耐火構造」など国の認定を受けている住宅であり、性能値も出来る限り数値化する事で、より安心して住める住宅をご提案いたします。

 

持続可能なメンテナンス体制・保証体制

車には車検、人には健康診断といったように、住宅にも定期点検や一定の補修といったメンテナンスは住宅の長寿命化には必要です。だからこそ古くから住宅の困り事の相談役として活躍してきている私たちのような「まちの工務店」の役割が重要となってきます。私たちの良さは「小回りが利く」、「相談しやすい」といったところがあると思います。ちょっとしたお困り事から、住宅のメンテナンスなどを無料定期点検、オーナーズクラブのアプリを活用することで、現代にあった「身近な相談役」であり続けたいと思います。

また、保証に関しても住宅の長寿命化においてとても重要な役割があります。構造躯体の保証は10年では最早短いと思います。安心した保証体制としては20年欲しい所で、さらに住宅設備など、生活には必須の機器に対しても長期の保証がかけられるのは、本当に安心・安全につながると思います。


株式会社加度商 代表取締役 加度 亮平